教育

愛だけでは地球を救えない

「愛は地球を救う」
というフレーズが某テレビ番組のキャッチフレーズに
なっていますが、これについては僕は同意します。
愛は、地球を救うと思います。
でも、愛「だけ」では救えないのが事実だとも思います。

地球というと規模が大きいので、
身近のことに置き換えて考えてみます。

ある男性が付き合っている女性にプロポーズをしたい。
そして、ただプロポーズするのではなく、
女性を喜ばせようとサプライズを計画します。

デート中、駅前で演奏しているストリートミュージシャンが
突然その二人に向かって演奏を始め、観客だったはずの
別のミュージシャンが参加し、最後には男性も
加わって歌って踊り始めます。
当然、周りに人だかりができ、最高潮に盛り上がります。
そして曲が終わった途端に男性はプレゼントを取り出し
「結婚してください!」

…みたいな。そう、フラッシュモブです。
男性や協力してくれたミュージシャンとしては
やりきった表情。

ところが、女性はあまりの恥ずかしさに
その場から逃げ出してしまい、プロポーズ失敗。
後日話を聞いたら、二人は破局したとのこと。

これはフィクションですが、わりとありがちな話です。
別にフラッシュモブが悪いわけではありませんし、
フラッシュモブを否定するつもりはありません。

男性は何を間違えたか。
きっと、彼女のことが大好きで、驚かせたくて、
一所懸命考えていろんな人の助けを借りて、
フラッシュモブを企画・実行したのでしょう。
ここには、間違いなく彼女への愛が溢れています。

でも、肝心の彼女は、サプライズを求めていない、
少なくともフラッシュモブは望んでいなかったのです。

男性の行動は、愛からくるもの。
でもそれが彼女を傷つけてしまう。
必要だったのは、彼女が求めるものが何か、
というリサーチです。
彼女は大勢の前でサプライズされるのは嫌だ、
という知識をその男性は入手しておくべきでした。

一番言いたいのは、人を喜ばせたり助けたりするためには、
愛だけではなく、正しい知識が必要、ということです。

多くの人は、このフラッシュモブの事件(?)を耳にして、
「男性の独りよがりだ」
と非難することでしょう。
確かに独りよがりであることは否めませんが、
独りよがりにしてしまった原因は、
彼女についての正しい知識であったり、
フラッシュモブをする際の注意点などをしっかり
調べておかなかったことだと考えられます。

彼女のことを調べていないので愛ではない、
という意見はあるかもしれませんが、
男性としては愛しかありません。
でも、手法・手段が間違えていました。
もう少し視野が広く、視座が高ければ、

愛しい人を失う結末にはならなかったはずです。
これを、今のこの世の中に当てはめることができると思います。
自分の身を守るのはもちろん、自分の大事な人を守る。
その時、愛から行動するのは言うまでもなく大切です。

でも、その行動が正しい知識に基づいたものなのかどうかを
考える必要があります。
「独りよがり」の考え、独断によるものであれば、
いったん立ち止まり、正しい知識を得ることが先決です。

だから、正しい知識を得ることは大事なのだと思います。
いろんな情報が錯綜している今、情報を選別する力も問われています。
なかなか判断が難しいのであれば、まずは公的機関や
権威ある機関の発表していることを参考にするのがいいでしょう。

愛から生まれた行動のはずなのに、
無知によって自分が守りたかったものを守れなかったときほど、
悲しいことはありません。

愛と知識、
この両輪で行動しましょう。

僕も日々、
「そこに愛と正しい知識は、あるんか?」
と問いながら過ごそうと思います。

一人か二人か、その違いは大きい前のページ

ジョハリの窓と自己紹介次のページ

関連記事

  1. 教育

    英単語の覚え方 〜対義語と一緒に覚える〜

    「単語はどうやって覚えたらいいですか?」「復習は何をしたらいいです…

  2. 教育

    自己肯定感を学ぶ

    昨日は大阪まで、自己肯定感についての講座に参加してきました。事前に「…

  3. 教育

    大人への不信感を持っていないか?

    「大人の言うことなんか聞きたくない」日本の社会全般に、こうい…

  4. 教育

    過剰一般化は自分を苦しめる

    「わたしなんて、全然ダメです」聞いていて、悲しくなる言葉です…

  5. 教育

    大学入学共通テストとセンター試験は、結局何が変わるの?(英語)

    2020年、センター試験が終わりました。来年、つまり2021年1月は…

  6. 教育

    記憶法 〜感情を乗せる〜

    突然ですが、「覚える」のは、得意ですか?おそらく、「い…

  1. 教育

    で、結局何番が一番正答率高いの?
  2. 教育

    医者の不養生になっていませんか?
  3. 教育

    ミスコミュニケーションの原因は?
  4. 教育

    なぜ東大出身者は教師にならないのか その1
  5. 徒然日記

    2019年の振り返り(写真付き)
PAGE TOP